シューリヒト掲示板発言　４００－３５１（２００３年）

kagaさま　投稿者：toshiharu 　投稿日： 3月 7日(金)13時16分50秒

いえいえ、どういたしまして。これからも掲示板をお楽しみください。

管理人さま　投稿者：kaga 　投稿日： 3月 7日(金)12時56分02秒

たびたびすみませんでした、投稿内容を編集しました。おっちょこちょいですみません、ありがとうございました。

車のたとえ　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 7日(金)07時12分42秒

あ、また書き込みしてしまいました。車のたとえは、あくまでも交通ルールの話なので、「シューリヒトの芸術」の総括として捉えないでくださいね。ある一側面のたとえでしかありません。　ちょっと車のたとえが丁度良いかもしれないので、もう少し書いてみます。車がスムースに走れるには、ある一定のスピードで走ること（爽快感を生む）、車が前進する（目的地をめざして）、景色がいいことと道路が舗装化されていて、走る道次第も「滑らか」でないといけません。砂利道のような多少の悪路を注意せずに走ると、車が上下して乗っている人は気持ち悪いですよね。　音楽でリズムに同期することを強引にも当てはめると、乗客は「安全運転を心がけるドライバーの車に乗りたい」ですね。シューリヒトは安全運転を保証して、さらなる深い音楽の旅を実現してくれます。車のスピードはテンポに当てはまるかもしれませんね。リズムは跳ねたり、滑るものだから難しいなあ。　でこぼこ道を走るのは辛いですね。シューリヒトはでこぼこ道をうまく走るのが巧かったのかもしれないし、自分の知らない道（未知や不得手の曲）や悪路（いわゆる駄作）は避けて運転したのかもしれません。または、悪路を自分で直して、スムーズにするように、あるいは効率よく走ることに万全の注意払っていることは演奏から感じます。　「車と音楽表現は違うわい」とお叱りを受けそうですが、あくまでも一側面ですから、車に固執して質問を投げかけられるとちょっと困ります。　もし、ドライバーとして車を運転する機会、もしくは乗客として電車に乗る機会があったら、「乗り心地」の秘訣を意識してみてはいかがでしょうか。普段意識していなかったものが見えるかもしれません。私の野暮ったい表現で一人でも多くの方が「当り前であるかがいかに美しいか」「当り前を演じることがいかに難しいか」「それらを克服してさらなる深い境地にいたることがいかに素晴らしい」ことのヒントになると幸いです。　人間の生命にはリズムあるいは人それぞれのテンポがあります。歩くリズム、テンポ。体内リズムしかし、心拍しかり。協和音→不協和音→協和音の連続による安定→不安定→安定という骨格をしっかり見据えて、安定なテンポ、リズムの上で自然に生活しています。その基盤の中で、ドラマを演じているのがシューリヒトかもしれません。　常にドラマティックだけを追いかけているのではなく、安定基盤があるからこそ、ドラマティックな表現が可能です。音楽は終止を目差して進行します。ちょっとたとえがずれますが、川は流れるから川です。流れない川は淀んでいて、音楽とはちょっと違います。　後日読んだらひどい文章ですね。私は試みの途中です。皆さんも協力しあうことはできるでしょうか。これは価値認識共有へのかなり深い階層への踏み込みと試みです。難しいんですけど、怖いです。皆さんの夢を壊しているのではなかろうかということも。信一様の「生きる糧」という言葉を拝見することは正直どこまで私が踏み込んでしまっていいものかどうか不安ですが、まずは寛容に受容して、新たなる言葉を用意していただくと幸いです。かなり深い階層まできてると思います。１．音楽を聞いて自然であることは気持ちいい（もはや当り前）２．自然だけでは感動しない３．自然の中に人間的の生き様やドラマ性に到達して感動に至る自然であるということは生理的にも受容しやすいということですよね。でもこれを作り手から考えるとホント大変なんです。みなさんの日常生活にも上記１～３に当てはめてみて考えるとヒントがあるかもしれません。私にはシューリヒトの生き方（大内様の文章）、および音楽との同期（まだリズムと単純な感動）だけで、シューリヒトが非常に自分に近い存在に思えて、憧れを抱き、親近感がわきます。あまり超越しているというか、むしろ職人でできあがるものは「まばゆいかぎりの芸術」。でも棒を振ってるのは老紳士。だから好きです。カリスマ性はもちろんあったと思いますが、何か他人のような感じがしないのです。多分音楽と同期しているからだと思うのです。「ヒント」「かもしれない」の連発で恐縮ですが、私も試行中なのです。「なぜだろう」と。でもこの試行が皆様の夢を壊すのは本意ではないので、やはり精進モードに入った方がいいのでしょうか。どうしましょう。うわーこんな時間です。では。

私もグールドファンです。（その２）　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 7日(金)05時53分30秒

　シューリヒトの演奏はそのフレーズを弾くことに埋没しないまま、次の展開を用意しているから、私は次の展開を気持ちの中で待っています。このようなスリリングな演奏は久しぶりだからです。今の鳴っているフレーズ表現を味わっている余裕はなく、自分のリズムを彼のリズムに身を任せて次の展開を待っています。　バッハの例を上げさせていただきましたが、彼の楽譜をみたらご覧になるとヒントがあるかもしれません。第１巻の１番初めのハ長調プレリュード。譜面では２ページなのに、あれだけ深い世界を作っています。フーガでもそうです。さらにいえば、ハ長調のインベンション、あれも譜面２ページで、２声しか使用していないのにあれだけの世界を作っている。同レベルの曲を作曲せい、といわれたらホトホト困ってしまいます。　ちなみに曲構造の概略はハ長調から始まりながら、転調を繰り返しト長調の終止、イ短調の終止、最後にハ長調で完全終止。という転調の世界を揺るぎない構築感と安定したリズムで作曲しているのです。たった２ページ、それも２声だけで。それは多分フレーズの定型を上行形、下行形、と少しずつ違う形にしながらも、「ある一定の制約下でいろいろなパターンで曲展開をつくりあげる」。デームス氏の文章は確かに難しかったかもしれないですけど、演奏者は曲全体の構造を把握しながら、その一部分を構成する音を積み上げていき、今弾いているフレーズが曲全体のどの位置を占めるのか、考えているのです。あるいは練習までは探究しますが、演奏時は無心に近いです。無心でないと作為的な表現方法でいやらしくなってしまいます。　シューリヒトの演奏の凄さは、極めて当り前の音楽語法のルールを極めて厳守したなかで、自分の音楽表現をしています。それは一瞬にして通りすぎるのです。一方、音楽表現を聞こうと一生懸命に耳がいってしまうと「当り前」の音楽語法がとかく見逃されすい。音楽を聞く人の80%、演奏者の50%（調べたわけではないのです）が、「当り前」のことを無意識に受容し、表現に集中します。音楽を聞く人はいいのですが、演奏者は「当り前」のことを意識して「当り前」のように演奏しなければいけません。「極めて自然に聞こえるのに表現が凄い」のです。今は「言葉」では説明できないのですが、「当り前」なことはどういうことなのか、例として「平均律」を上げてみました。この曲を変なアゴーギグを使ってしまうと（すなわち演奏表現だけに酔いしれてしまうと）、和声の変化による精神の高揚の妨げになります。　以下のようなたとえはあまり好きではないのですが、試みてみます。例が陳腐で恐縮です。例えば、美しい風景のあるヤマを車でドライブしたとしましょう。一定のスピードで車を走れば、余裕をもって景色を楽しむことができます。でも景色をじっくり楽しもうとすると車を止めざるを得ません。速度制限のあるところがきました。スピードを落とし、安全運転ができます。急カーブの連続にさしかかりました。安全運転するには、ドライバーはここぞと平常心で安全運転を保ち冷静にならなければなりません。景色を楽しむ余裕こそありませんが、「急カーブ」という遠心力で人の心は緊張感あふれます。やっと平地に辿りつきました。ゆっくり停車してドライブ終了です。　あえて、車を安全に走らせることは当り前で自分では気づかないことです。安全運転のルールはあります。ドライバーは知っていても、後部座席に座って運転に身を任せている人はドライバー経験がない限り、意識は景色に集中することができます。ドライバーが前方を見ず、景色ばかり集中して気が散り、事故をおこす。世の中には意外と危険なドライブ体験をする音楽が多いのです。シューリヒトは交通ルールを守りながら、一瞬の景色を楽しみながらもスピードがそれをじっくり楽しむことを許さなく、車は走ります。安全ですが、限られた制約の中で、信一様が指摘されるようなセンチメンタルなドキッとする表現をみせてくれます。それが実にハマっていて、何度も景色を確かめたくなる（同箇所を再生する）のでしょうね。安全運転の中でその表現をこなしているから素晴らしいと思っています。逆にそうしたスリルある景色の楽しみでも安全運転を守っている、というのが演奏者の視点からは凄いなあ、と思っているのです。「映画」「朗読」原点は同じかもしれません。　ネボケた発言で当惑されるかもしれませんが、音楽での交通ルールとはなにか、その手段として「平均律」を上げました。安全運転のルールをみなさんで共有することによって、ますますシューリヒトの素晴らしさを共有したい、というのが私の願いです。・・・訳わかんないですね。あー、もうこんな時間です。これで失礼します。

私もグールドファンです。（その１）　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 7日(金)05時52分42秒

＞信一様なんか眠れないので、掲示板拝見したら書き込み発見しました。今は眠気もあるのではっきりしたことは言葉にできないのですが、グールドはバッハのCDしか所有していません。本ではフリードリックの「グレン・グールドの生涯」。「グレン・グールドの演奏術」をみて立ち読みしましたが、わけわからなそうなのでやめました。グールドが好きなのは、各声部が全く独立した楽器のように音が駆け出し、駆け回るところです。カノンでもフーガでも声部が増えるときに、独立して聞こえるのです。バッハはここまで意図していたかわかりませんが、これこそポリフォニーの極致、という気もします。それでも全体の曲構造を把握して弾いているので、曲の構築感はあります。正直平均律の演奏は全てを受容するか、というとちょっと考えるところもありますが、演奏者の解釈として一理あるのだろうな、と思います。それでも彼の後ろにはバッハが見えるので、私は虜になります。　でも一方、普通のバッハ演奏でもしっかり声部を弾き分けてくれれば、ある程度演奏を聞くことはできます。でもバッハ演奏は当り前に弾いても現世から天上へ昇天していくような高揚感のある世界は表現できない、演奏者も当り前にありながらも精神的高揚を上げてなければならない、でも興奮したら音楽が壊れてしまう。バッハは非常にデリケートな音楽だと思います。そこが不思議な魅力です。＞誰が演奏してもセンチメンタルなメロディーを恐ろしいほどの強い表情で弾かせていま＞す。（WIENPHILを使って！！）あ、寝ぼけていてすみません。明日以降、聴きなおしてみますね。以下は返答にならないかもしれませんが。「表情」という点で書いてみましょうか。自信ないですけど。私はあまり局部的な聴き方はしません。シューリヒト演奏の場合は特にそれができません。信一様は何度も何度もシューリヒト演奏を繰り返し聞いて、その表現を気づけた喜びがあるのかもしれません。現在の私は局部的な部分に聞く余裕がありません。彼の音楽がその余裕をゆるさないほど、次々曲が展開してしまうからです。多分あと数百回同じ曲を聴いたら信一様と同じ表現の味わいの共有の喜びができると思います。私の経験のなさです。でも曲が次々展開していくことに曲の深まりと彼がクライマックスとして捉えているところでは「熱い感情」がみなぎっているのです。それがますます凄いんです。

世代の違い？　投稿者：信一　投稿日： 3月 7日(金)00時49分12秒

AOSANさんこんばんは登場を期待されていたとは（笑）ただ、当惑していたのです。私は長年、シューリヒトに対位法的な面白さを聞いてきたので、和声的な部分に感激されている様子を見て、いろいろな聞き方があるものと参考までに成り行きを見させていただいたわけです。実を言うとシューリヒト以外に私がもっとも聞く機会が多い演奏家は”グールド”なのです。家内はほとんど中毒といってよく、家に帰ってくるとほぼ毎日グールドの平均率かイギリス組曲が鳴っています。カナダ放送のCDも含めてギボンズからシェーンベルクにいたるほぼすべてのCdがあるのに．．です。なぜなのだろう、聞くだけ野暮な話です。彼の演奏には生理的な快感があるからです。昔若いころはチェンバロ奏法との近似性や異常なテンポ設定の意味を考えたりしましたが、まさに”時間の無駄”でした。家内が屈託なく”中毒”するのを横目で見ながら、告白しますが、私にとってもグールドは最高の”生理的エンターテイメント”なのです。さて、これほどまでに酔わせてくれる”音楽”を知りながら、なぜ、グールドではなくシューリヒトを”知りたがる”のでしょう？答えは簡単、音楽をエンターテイメントとして聞く状態に”足踏み”しないで生きる糧としたいからです。シューリヒトの演奏から簡単な例をあげましょう。ブラームスピアノ協奏曲第２番の第４楽章の第２主題。誰が演奏してもセンチメンタルなメロディーを恐ろしいほどの強い表情で弾かせています。（WIENPHILを使って！！） ”強拍を強拍として捉えリズム構造を明確に示している。”といったところでなんになります！？どうしてこれほどまでに音楽が求めている感情を拒否してまで厳しい表情で演奏しなければならないのか、この人にとって音楽とは何なのか？知りたくならないでしょうか？　これが私のミーハーの原点です。 AOSANさんの投稿を拝読していて、どうも僕には理解できない。なぜ、シューリヒトでなければならないのか？　和声学本編の後で結構ですから、ご説明願えないでしょうか？追記ビオラの話面白く読ませてもらいました。私もオーケストラの中で演奏を聴いた経験があります。オケは、NDR、指揮者は当時無名のテンシュテットでした。場所はチェロの後ろで金管のまん前、すさまじい音でバランスどころの騒ぎではなかった。楽員は全体の演奏が名演なのか凡演なのかわかるはずがありません。でも、それなら、どうやって指揮者が凡人か天才か見分けるのでしょう。まさか髪型ではないでしょう！？

シューリヒトと和声学（予告編？　その２）　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 6日(木)21時54分26秒

　ということで当分の間、説明の仕方を考えてみます。その間に皆さんに、シューリヒト鑑賞の合間に「平均律クラヴィーア曲集」のCDを聴きながら、シューリヒト音楽同様、指揮マネをしていただいたり、体を揺らしたりして、拍と拍の間の滑り込み感、小節間の頭拍への滑り込み感を感じていただけると嬉しいです。バッハ嫌いな方もいらっしゃると思いますが、お勉強と思って。音楽性とか芸術性とかは今は無視してください。和声です。「音楽」は「音楽」に語らせ、「音楽」で感じるのが一番、まだまだ「試みの喜び」の段階ですが、ここで考証を放棄するのも申し訳ないし、この掲示板での試みの成功による喜びの共有を愉しめたらと思います。その間に過去ログのリズムの揺れの感覚を味わっていただけると幸いです。私の言葉を期待されても大した内容にはならないと思います。”体感”できるように努めます。私自身の音楽の勉強になりますので。難しい言葉は使用しません。楽譜も不要にしたいです。もしお子様がピアノを習っていて、所有していたら、奪取してください。学習なら1300円前後なので第一巻くらい所有しても損はないでしょう。　で、「音楽」について「言葉」で語らせるには専門家に任せるのが一番（餅は餅屋）。イョルクデームスというピアニストがいるのですが、ご存知でしょうか。この方、古楽から現代曲まで知り尽くしているというウィーンの権威者らしいのです。デームス氏による「平均律クラヴィーア曲集演奏法の研究　解説と演奏」というビデオ（！）が発売されていて、その序論の文章のURLを紹介します。調について、演奏について、演奏者が楽譜の前で、どのようなことを考察していたら、感じていただけると嬉しいです。なお、バッハ音楽の解釈自体は様々ありますので、デームス氏の弁が必ずしも正しいとは断定できませんので客観的にお読みください。　多分シューリヒトも似たようなことを考えて、これらの作曲技法は熟知していたに違いないと思います。機能和声を操るものとしては必須レベルの知識と思いますが、リスナーの方は手元にピアノでもない限り、”ほほ～”と唸っていただければよいのではないのでしょうか。演奏者とのリスナーの中間層である私も現時点では”ほほ～”と思っているだけです（ダメだこりゃ）。サクサク読み飛ばしてください。ちなみに文章の（中略）という部分に上記に引用されていたマックス・レーガーに関する引用が本来あるのですけどバッサリ切られてます・・・。このビデオや略された部分についてなど、興味のある方は私まで直接メールいただけると内容を簡単に紹介させていただく所存です。今日はここまで、失礼いたします。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜つづく、かな？・・・＞
http://www.calley.co.jp/nikkai/wtk/heikin1.html

嬉しい悲鳴です　投稿者：toshiharu 　投稿日： 3月 6日(木)21時47分53秒

それにしても、嵐のようなCDリリースですね。どれを購入したらいいのか、本当に迷います。こういう時が来るとは、思っても見ませんでした。またシューリヒトが好きな人って多いんですね。こうなると、やっぱり映像が欲しくなったりします。どこかで出してくれないかな、なんて思います。

シューリヒトと和声学（予告編？　その１）　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 6日(木)21時46分09秒

みなさんこんにちは。信一様お待ちしていました。しばらく投稿がないのでお気を悪くされたのではないのかと正直ドキドキしました。私が言いたい放題で、気を悪くしてしまったのではないかと思いまして・・・。　さて、CDネタを割り込んですみません。おっと大胆の題名にしてしまいましたが、相変わらず熱暴走している私。「またかよ」と思われているアナタ、私の愚言にちょっとお付き合いいただけると嬉しいです。　シューリヒト演奏に私が感じる和声感の心地よさについて、何とか皆さんと共有したいと考証中です。まだ上手に言葉にはできてませんが、不協和音から協和音へ解決する”感じ”、転調や展開部を迎えることによって曲の世界が深まっていく”感じ”をシューリヒト演奏でうまく共有できないか、と考えました。すなわち機能和声で構築された世界です。シューリヒト演奏が極めて安定感のある秘訣、自然な流れである秘訣は和声の扱い方なのではないか、と常々思っていますが、じゃあ「和声感ってなんなんだ？」、「言葉」での説明は難しいのです（というか私もわかりません。説得力なし）。　そこで最大のヒントがありました。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」という作曲家共通のキーであります。曲については説明は不要ですよね・・・。　え？シューリヒトとバッハ？それも鍵盤楽器？関係ないやんけ、と思われるかもしれません。証拠はないのですが、彼は「平均律クラヴィーア曲集」を学んでいたかもしれません。ひょっとしたらインベンションなども。これらは学習者の為の曲として有名です。　バッハの死後、多くの埋もれた彼の作品の中で出版された数少ない曲である「平均律クラヴィーア曲集」。こはピアノ演奏家のみならず、作曲家が「作曲技法」の手本として使用されていました。ベートーベン、ショパン、ブラームス、シューマン・・・。　バッハ音楽はポリフォニー音楽（多声音楽）です。セザール・フランク、そしてシューリヒトの師である「マックスレーガーやパウル・ヒンデミットのような20世紀はじめの巨匠たちは、ポリフォニーの巨匠でした」と後述する文献に書いてました（ウケウリ）。すなわちピアノも習得していたシューリヒト、作曲技法や機能和声について先人の作曲家同様、「平均律クラヴィーア曲集」の何曲かを手本に勉強していた”可能性”があります。異なる声部を操る指揮者でも交響楽を学ぶ者にとってポリフォニーの習得は重要な課題であると私は考えます。これは推測でしかありません。　シューリヒトに限らず、機能和声について”感覚”を感じることはリスナーとしても有用なのではないか、と憶測ではありますが、思っています。

Re 正規盤のニュース。　投稿者：信一　投稿日： 3月 6日(木)20時20分12秒

ケロヤンさんこれは、最高のニュースです。情報ありがとうございます。リリースはドイツのヘンスラー！！　旧ＳＤＲの音源を持っているこのレーベルが発売してこそ、シューリヒトのＳＤＲでの真価を最大限享受することができます。ＷＩＥＮならＯＲＦＥＯ、ＳＤＲならヘンスラー、ＮＤＲならターラ。僕が夢に描いていた最良の復刻パターンです。しかも、ハスキルとの組み合わせで、表紙がシューリヒト！！この後続けて発売する前触れと見ました。修理人さんＨＰがなかったらここまでこれたかどうか、本当にありがとうございます。

正規盤のニュース。　投稿者：ケロヤン 　投稿日： 3月 6日(木)19時11分21秒

最近の掲示板は、大いに盛り上がっていますね。楽しんでいます。さてＨＭＶのＨＰに、クララ・ハスキルとのコンチェルトが正規音源で発売されるというニュースが出ていました。これも楽しみですね。以前も紹介されていましたRARE　MOTHからの青盤？ですが一応入手しましたのでご報告します。こうした音源は、本当にシューリヒトなの？と思わせるようなものもときにはあると思います。ならば買わなきゃいいのですが、どうしてもついつい触手が動いてしまうのもコレクターの性でしょうか？でもシューリヒトならばといいたいところです。なんといっても「運命」がおすすめです。基本的にはパリ盤と同じ解釈（第４楽章のテンポ落ちなど）ですが、ライヴならではの勢いのよさがあります。とても80歳を超えた指揮者とは思えません。若き日の小澤征爾が書いた「ボクの音楽武者修行」の中で、シューリヒトのことに触れた個所があるのですが、きっとこの時代の演奏をきいたのでしょうね。ただこれらのCD-Rはあくまでもマニアのものでしょう。音とび、音抜けがありますし、録音状態はどれもパッとしません。そういえば、今年１月に10日間ほど入院しましたが、その間、「ベートーヴェン全集」だけをひたすら聴くはめになってしまいました。しかし何度、聴いても飽きない全集であることを再認識しました。「エロイカ」「田園」「第９」は中でも特に素晴らしいと思いました。全集のステレオ音源が見つかった！なんてニュースは期待できないでしょうかね。

DENONとScribendum　投稿者：kaga 　投稿日： 3月 6日(木)13時10分00秒

すみません、初登校の内容を2度も都合で削除して（↓まだ一個残ってますが）混乱を来したかもしれません。Resを付けてくださっているので先に書き込みます。 > 修理人様 DENON盤ですが、まだ全部は聴き比べていないのですが、「プラハ」はDENON盤の方がよいように思われます。 Scribendum盤は全体にマスクされて中低域が不自然な感じがし、気になりました。40番、41番はさほど感じませんでしたが、私はDENON盤の方がまだ、好みです。ブルックナーはどちらがいいとは言えない音質でした。これに関しては、DENON盤の高域のササクレだった感じがやや気になっていたので、新盤の方がいいかもしれません。少なくとも、「プラハ」と異なり、音質の違い云々を気にせず最後まで聴いてしまいました。この演奏自体久しぶりに聴くのですが凄い演奏ですね。いずれにせよ、音楽の印象がDENON盤とScribendum盤で根本的に違ってくる様な音質向上は、ないと思いました。

Virutosoのベートーヴェン交響曲集について　投稿者：orooropapa 　投稿日： 3月 6日(木)12時19分33秒

タワレコで、Virutoso（スペル違うかな）のベートーヴェン交響曲集を注文しようか迷っています。音質はどうでしょうか？特に３番は、シャンゼリゼライブがステレオ録音なのに、こちらは擬似ステレオ（タワレコに問い合わせたら）ということですがどうでしょうか？先に聴かれた皆さん、教えてください。

こんな掲示板があったなんて！　投稿者：kaga 　投稿日： 3月 6日(木)10時15分53秒

はじめまして。高校生の時にウィーン・フィルのブルックナー9番に出会って以来、この人こそ理想の指揮者と思っているファンです。もっとも、私が音楽に本格的な興味を持ち始めた頃はすでにLPからCDへの移行期でしたけど。コンサートホールのBOXの音質に疑問を持ってあれこれ検索していて偶然、ここへ来ました。シューリヒトの掲示板があったなんて、嬉しくて一気に過去ログを読みました。このBOXについても、他の演奏についても、ファンとしての「愛」を「熱狂」と混同しない冷静な話題展開がいかにも、シューリヒトの掲示板らしくていいなと思いました。私の方から提供できる情報はほとんどありませんが、いろいろ参考にさせていただきたいと思います、よろしくお願いします。
編集済

名案かも・・・。　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 5日(水)23時34分42秒

舌も乾かぬうちに書き込みです。この際、ＮＨＫに「カールシューリヒト研究」に関してテレビ番組を制作してもらって、彼らに研究させるっていうのはどうでしょう。専門家もでてくるし、イアンジョーンズのインタビューも撮ってもらえることですし。当時の使用機材とかも紹介してくれたりして・・・。さあ、皆さんでNHKにメール投稿攻撃！！（冗談です）。

こんなもの見つけました　投稿者：リベルテ 　投稿日： 3月 5日(水)20時06分59秒

ここに来てみなさんの充実した書き込みには、目を見張るばかりです。 ROM中心にと決め込んでいるのですが、先ほどこのようなものを見つけました。 http://www.classicalmusiccd.com/classicalconducting/product2.html このページの一番最後の所に５タイトルほどシューリヒトのＣＤがありました。 CD-Rのようなので私は手を出しませんが、いわゆる一つの情報としてご覧になっても面白いのでは。ミサ・ソレムニスは既出とはソリストが違うようですし（収録年も1961年）、他にも協奏曲での共演にゼルキン（当然父の方）の名前があったりしています。もっとも、このあたりみなさんはもうご存じだったりしているのでしょうか。（と思って過去のログを見ていたら、やはり信一さんが書き込まれていました。多分これでしょう）それとかなり出遅れてしまいましたが、私の場合は現在４０歳、シューリヒトの最初のレコードはコロムビアからのＬＰで、モーツァルト３６，３８番と４０，４１番の組み合わせ。それにブルックナーの７番でした。当然宇野氏の影響だったのですが、最近では信一さんの意見に近く、枯れたとかとは対極の演奏家だったのではないかと思っています。ところで、かつて東芝EMIからシューリヒト＝パリ音楽院管弦楽団のベートーヴェンの交響曲全集が「カール・シューリヒトの芸術」として発売されたことがあります。ご存じのようにあの全曲録音は９番のみがステレオ録音で、他のものは移行期ということもありましたがモノーラル録音です。でもこれを東芝は余裕のあるカッティングでもってリリースしてくれたものです。シューリヒトのテンポは速く、ふつうに出せば６枚くらいでいけるのですが、それを１番、２番、８番は片面。３～７番は両面、９番は３面をと８枚組でのリリースでした。当時の東芝やコロムビアにはシューリヒト・ファンがいたのではないかと思っています。 P.S.もう一つ話題に上がっていましたペルルミュテール、私も好きです。こまめにCDをそろえることはしていませんが、レーザー・ディスクで１時間ほどラヴェルやベートーヴェンを弾いたものは時々見ています。

えっと　投稿者：修理人 　投稿日： 3月 5日(水)19時03分56秒

いらっしゃいませ。管理人のtoshiharuさんに代わってご挨拶(^o^)。 kagaさん＞もっとも、私が音楽に本格的な興味を持ち始めた頃はすでに＞LPからCDへの移行期でした。ということは、DENON盤をお持ちということでしょうか。音質を比べて見て、いかがでしたか？＞ファンとしての「愛」と「熱狂」とを混同しない＞冷静な話題展開がいかにも、シューリヒトの掲示板らしくて＞いいなぁと思いました。皆さんすごいですよ。私は読ませていただくだけなんですが、、。 orooropapaさん＞小生シューリヒトファン歴２年の会社員です。これからもよろしくお願いします。掲示板も、だんだん賑やかになりそうですね。
http://page.freett.com/Schuricht/Schuricht.htm

突然割り込みで失礼致します　投稿者：orooropapa 　投稿日： 3月 5日(水)17時10分38秒

突然割り込みで失礼致します。小生シューリヒトファン歴２年の会社員です。シューリヒトボックスに中毒になっていたところ、検索でこちらの掲示板を見つけまして拝見させていただきました（まだ全部は拝見できておりませんが）。シューリヒトを愛する方々のお目にかかれてうれしく思っております。失礼しました。

Re:ａｏｓａｎ様へ。　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 5日(水)16時22分24秒

＞大内様はじめ皆様方へ返信ありがとうございました。いつも私の拙文と失礼な言葉の数々、寛容に受け止めてくださり、そしてその都度丁寧な返信をいただき感謝しています。「自分自身を疑わないこと」という言葉に限局させていただくと、偶然にも私の生き方と一緒でした。多分この文言の本意は文章脈絡の全体から判断しなければならないかもしれませんが、それを差し置いても価値のある言葉です。特に広の場での演奏ということになると「自分の音は客観的にどう聞こえるのか？」「私の解釈は正しいのか？」と自問自答します。音楽だけではありません。仕事でも「もっと効率のよい方法はないか？」「この言葉で理解できるか？」そう自問自答して生きてきました。もちろんシューリヒトの意図するレベルと私の解釈レベルでは雲泥の差でしょう。　今回、この掲示板を利用させていただいて色々なことを考えました。掲示板という書き込みでも日本語のルールは守らねばならないこと（他のおキラク掲示板とは異なる。良いことです）。そして今の私では、音楽を言葉にするのは難しいことを確信しました。またその有意性についても考えることも難しいのです。　それはプロの演奏家からレッスンを受けるときの言葉、音楽評論において認識を擦り合わせるまでの長い時間コミニュケーションのプロセスが必要ということです。私は直感的に音楽は音楽として考えているようです。言葉に置換しない方法をできるだけ避けてきました。右脳のイメージで捉えるということなのでしょうか（そんなに天才ではないですけど）。音を鳴らすときのエネルギーの加え方、音から音への推移に対する意識などです。それは感覚的なもので言葉に置き換えるのは難しいということは常に思いました。よって言葉でより深い階層を「語ること」は現段階では私にはふさわしくないと思います。　投稿という行動が私にとってエネルギーの発散場所になってしまいました。この自己表現欲求は音楽での演奏欲求と共通するものがあります。でもそのメッセージを受け取る立場にたつと、もっと文章や言葉を論理的に構築して伝達する、表現力がないと伝わりにくいのです。私も自分の文章を読んで、そう思っています。その道具の言葉や構築するには私にとっての時期が早すぎたと思いました。下記は音楽の共有の経過における私の階層レベルです。あくまでも試案です。＜音楽を通じて感動を共有する場合の階層レベル＞第１階層：ある音楽に共鳴した者同士が出会えたことの喜び（出会いの喜び）第２階層：感動を共有し、価値観も似ていることの気づきの喜び第３階層：共有の喜びの欲求がさらに深まり、更なる考証によるの試み（試みの喜び）第４階層：上記階層レベルにおける試みの成功と価値共有成功の喜びなんか違う気もしますが・・・、頭悪いものでして・・・。これらの第３階層から第４階層に至るまで、階層が深くなればなるほど、各人の人生経験の相違、深みから、言葉の定義の擦り合わせ、第４階層での認識を共有することの喜びというプロセスが難しくなります。その価値共有がすべて「言葉」という手段で伝達しあうのですから。価値共有に失敗するとその都度不愉快な反応を感じることも確かで、そのときは冷静にならねばなりません。私にとっては本掲示板に限らず、インターネット掲示板や通常の音楽議論では第１、第２階層までが「認識の共有の喜び」の限界かなと思います。あとは同じ場で同じ環境でスピーカーに向かって論じ合うことにより「認識を共有」するか、楽器を鳴らしながら体験して「認識を共有」するという方法もありますが、お互い会って談義しても価値共有が難しいことはこれまでにもありました。特に、楽団、バンド、重奏、合奏など演奏者間でそうでした。　音楽を言葉で語ることは私にとっては難しいです。音楽を音楽として表現するのでさえ難しいのです。したがって私なりの精進に励みたいと思います。私の文章力、表現力、音楽解釈力では、第２階層までしかこの掲示板を利用して「皆さんとともに楽しむ」ことは難しいと思っています。どんどん自分が空回りしていくのを感じるのです。読み手を不愉快にはさせたくという気持ちもあって、第３階層に至って言葉を使うのはちょっと気後れしています。特に「言葉」という手段では。　それでもなお寛容にも私の言葉を受けとめてくださる皆様に本当に感謝しています。書き込みは継続させていただきますが、上記の階層に注意するつもりです。　それでもなお確信していることは、もはやインターネットやこうした語り合う場がないとシューリヒトをはじめ、音楽そのものを更に探究することができないということです。試行錯誤（思考錯誤？）はしていますが、日に日に進歩している実感はします。私の言葉で不愉快に思われた方にはお詫びします。早くスコアが欲しい。失礼いたします。

返信二通。　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 5日(水)10時25分31秒

管理人さまへ。転載、ありがとうございました。ワープロで、ネットしているので、９行分以上は一度に送信できないようです。小林修理人さまへ。virtuosoの「ベートーヴェン」と「ブラームス」到着。お手数をお掛けしました。小生の人生で、まさかシューリヒトのＣＤが聴ききれなくて迷うような時が来ようとは？正月に、小林さまのＨＰを発見してからの展開は、夢のようです。機縁を与えてくださったことに感謝いたします。

ａｏｓａｎ様へ。　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 5日(水)08時48分24秒

シューリヒトに、「自分自身を疑うことをやめてはなりません。それによりあなたの才能が初めて真の開花を迎えることになるのです。」という言葉がありますね。ゲーテの「人間、努力している間は、迷うにきまっているものだ」という有名な格言が背景にあるでしょう。信一様が、「最高の作品の重要な部分への改変」を発見するまでには、長い時間が必要でした。あれだけの知識と識見も、疑問と探求の過程があったからだと思います。シューリヒトは探索の苦闘に値する存在でしょう。「実感」に「推論」を重ねていけばよいのではないでしょうか？

「響き」の考察の前に　その３　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 5日(水)01時20分22秒

　下記にも述べたとおり、シューリヒト演奏には「音の混ざり具合」という効果もさることながら、長大な楽曲をまとめ上げる構成力、音楽三要素の適切なバランスのセンスというものに私の関心を持ちます。自分の音楽にあてる時間を100%とすると、70%は鑑賞、30%は演奏や楽曲研究になると思います。その中で自分の未知の世界のオケ楽器間のバランスを推察することは必然的に優先順位が下がります。　ちなみに私にシューリヒトの存在を教えていただいたのは私の直属の上司です。皆様と同じコンサートホール現役時代。現在でも時々アマチュアオケでビオラパートを担当しています。「オケの中じゃ自分の音なんてわからんよ」とぼやいていました。あくまでもアマチュアの話ですよ。ビオラってヴァイオリンやチェロほど音の輪郭はぼやけていると思います。それ以前にビオラがどの音域か、私の耳では判断しかねます。ギターも内声を担当する真ん中の弦は、楽器構造の特性上、鳴りにくいです。ギターの話ですよ。　屁理屈だけ垂れて、「探究」「論証」は怠るという私は30代の象徴でしょうか。一応バブル崩壊後に就職活動したものなのですけど・・・。　上記の考えのもと、精進は続けます。レコ芸も読んでないし、再生装置も安いですけど、シューリヒトのリズムや表現は自分としては十分に伝わってきます。またどの楽器もフレージングによる「自然な歌」が聞こえます。今の私にとってはそれを感じるだけでも十分です。今後は音楽の基礎を学びながら精進します。　「響き」の問題は微妙で、言葉にし難いものです。ライターはそれを言葉に変換する仕事、その評論を頼りに音楽を判断するリスナーにも言葉にする説明責任はあるのかなあと思います。「推論」で愉しむのが正解かもしれません。乱れた日本語も勉強しないと。では、失礼いたします（すごすご）。

「響き」の考察の前に　その２　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 5日(水)01時19分07秒

「響き」の解釈する上で考慮すべき点について、音響面の与える影響に考えてみました。１．録音時の環境　　a.録音場所、オケの編成、各楽器の配置　　b.録音マイクの立て位置、当時の録音マイクの性能、使用マイクの本数２．オーケストラの楽器同士の特性について　　a.弦楽器の鳴り方と金管楽器、木管楽器との音量比、ミックス度合。　　b.パート間同士の鳴り方の音量比（例：ヴィオラ、ホルンはホールの中でどれだけ鳴　　　るのか。制約下で指揮者はどれだけの要求を出せたのか）３．録音の結果に指揮者が立ち会っていたのかどうか。また指揮者が再生された「響き」　　を本当に満足していたのかどうか。「響き」だけは技術上の問題で拾音技術に妥協せ　　ざるを得なかったことはないのか。４．晩年のシューリヒトの多忙スケジュールと録音スケジュール　　本人の録音に対する意欲の度合い、また録音結果に対しての決定権の関与。コンサー　　トホール録音時のチームにもよるかもしれません。５．上記１～４の条件の下で、レコードを聞いた評論家が、「響き」の問題を指揮者の解　　釈の対象としてよいのかどうか。６．上記１～５の条件が異なる他録音や他指揮者、他オケとの比較をすることに意味があ　　るのか。私が仮に当時にタイムスリップしてスタジオで最終テイクを確認したら、楽譜をみながら音楽の流れや構成を主に考え、響きの微妙な重なりあい、混ざり合いとか、本当は望むべき結果でないものでも技術の限界とみなし、ＯＫテイクとしたかもしれません。怠惰な私だったらの話です。　以上の条件についてあれこれ議論しても、すべて推察で「認識をあわせる」ことはますます難しいように思えます。指揮者の解釈としてそうに違いない、という認識をあわせることです。　ヒストリカル録音を聞いていると、どうもソロ楽器はよく録れているものもあるのに、オケの音は音としての情報量が多いためか、ボヤけて聞こえます。実際の音とは明らかに違うと思うのです。50年代から60年代にかけて録音技術は飛躍的に進歩はしましたが、実際のシミュレーションをしないと、指揮者の意図した響きな音なのか偶然なのか、よくわかりません。もちろんシミュレーションしても「おお友よそのような”響き”ではない（べト９）」と天国のシューリヒトはおっしゃるかもしれません。　ホールに実際に立った時の印象、実演時は再現できた音がマイクでは収録されないこともありました。自宅録音や多少なりとも録音の知識やスタジオの真似事を体験して、ミックスダウンやマスタリング段階で当初狙っていた音と変わってしまうのです。　また中低域を担当するビオラやホルン、ファゴットなどはマイクとの距離によっては拾音しにくいということはないでしょうか。逆に金管楽器が拾音しやすいということとか。　以上のような環境の違いで「響き」は変わると思います。「響き」について推察することと狙いがどこまで有意性を持つのか私にはわかりません。

「響き」の考察の前に　その１　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 5日(水)01時15分03秒

　たびたびすみません。皆さんがよく言葉にされる響き、金管と木管の重なり具合、異楽器間の響きの融合、あるいはうねり、という点への考察は、果たしてどこまで突っ込んで考えることができるか、疑問に思うことがあります。　結論はあらゆる考察は「推論」でしかないと思います。推論することに時間をどれだけ割くか、推論そのものを楽しむのか、ですね。我々が耳にしているレコード、あるいはCDというメディアからアンプを通じてスピーカーから発せられる音が果たしてシューリヒト自身が聞いていた音なのか。そのスピーカーの出音もそれぞれの再生装置でも異なる訳でして、「～なはず」「こう意識したに違いない」と推論しても、そうかもしれないし、そうでもないかもしれないとも思います。例えばバッハ研究なんて10年前の書籍は間違ってるとかあって、何千円もした本なのに涙。推論解釈は正直苦手なのです。　また私の陳腐な楽器経験や録音経験を考えると、ロックバンドで４トラックレコーダーに録音したとします。トラック別にフェーダーを上げるだけで音の重なり具合は変化し、イコライジング次第で、シンバルの音が鳴りがよくなったりならなかったり、そうしたバランスはマスタリングの前の段階で響きは変わり、マスタリングですべての楽器をミックスダウンすると音が変化します。これらを繰り返す作業は疲れます。自分自身の耳も疑ってしまいます。バンドですらそうですから、オケとなると音の情報量が多いわけでして、ちょっとした条件が違うことで指揮者が求める「響き」が変化すると思われます。　シューリヒトの録音がどういう録音装置で行われたかは私にはわかりません。正直あまり興味はないです。グールドのレコーディング風景のDVDは持っていますけど、これでは参考になりません。指揮台で聞く音、客席で聞く音、レコード、CDによって聞く音、リスリングルームの各自の再生装置で異なる状態で、「響き」の解釈が一致するのか、あるいは有意性があるのでしょうか。「響き」について影響する要因として推論すると、やはり録音時の環境をシミュレートしないと、解釈として捉えることは難しいかなと思います。個人的にはシミュレートしても無意味と思います。推察だけの探究は私は苦手です。

皆様方へ感謝いたします。　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 4日(火)19時23分23秒

大内様、toshiharu様はじめ皆様方へ私の文章を読み下していただいていただきありがとうございます。自分でもわからないまま連ねていた言葉を補筆していただいて、私自身が「自分の感じたこと」を整理できた気します。ごめんなさい、また駄文かつ長文ですが、御礼の投稿をさせていただきます。　クラシックギターの独奏は６本の弦で音楽を演奏します。しかし私が練習に演奏に明け暮れていた頃は、譜面の音符だけをさらい、数々の難曲に挑戦することにより、レベルアップした気になっていました。しかしある時期、それは指の運動でしかないこと、「音楽三要素が有機的に結合していない」すなわち音楽として流れがないことに気づきました。そこから西洋音楽、特に音楽理論について１から勉強したい、と思いましたが、既に会社員でもあり、その研究を怠ってきて今日に至っています。　「論考」について、正直どこまで追求できるかわかりません。私よりふさわしい方がいらっしゃるかもしれません。　私はもっと語る以前の段階でして、基本的な和声学や対位法などの音楽理論を学びたいと思います。今はギターから距離を置き、それまで伸ばしていた右指の爪も切り、”鍵盤楽器（ピアノといいたいのですが、シンセです）”を勉強してます。独学ですがハノン、バッハのインベンションを通じて少しずつ理論と実践を重ねていきたいのです。自分のコントロールできる楽器ですと、楽器を弾くことに意識が集中してしまって、音楽そのものについて考えることを忘れるのです。またギターだと音名や音の感覚を視覚的に捉えにくいのです。ある２つの音を同時に鳴らした場合、その間隔が二度なのか、三度なのか、視覚的に捉えにくいのです。　私もまだまだ初歩の段階ですので、いただいた命題の探究について「論考」までは至らないかもしれません。無論、オケ楽器の特性などはわからないので、どこまで追求できるかわかりません。ちなみに私がハーモニーと申しているのは和声のことです。「響きの波」とは楽器音が発音された音そのものを指し、和声とは異なるのではないかと私は理解しています（これは皆さんとの言葉の定義を一致させないといけないですね）。　精進する所存です。それが確信となる言葉になるのは10年後？20年後？でも私が興味を持っているのは楽器特性や音響よりも音楽そのものの仕組みであります。　でもシューリヒト演奏を通じリズムの同期の快感について皆さんとある程度、認識を一致できたのは嬉しいです。もしできましたら、みなさん、ステレオ装置の前で、両足で立って、シューリヒトの音楽に合わせて、体の重心を軽く右足、左足と交互に移すように左右に揺れてみてください。そうですね親指の付け根あたりの点を狙って。音楽と揺れがぴたりと同期したら気持ちいいですよ。パリ管のベートーベン「英雄」１楽章がいいかもしれないですね。もちろんシュトラウスのワルツも。右足から左足へ重心が移動する感じ、これが拍と拍が推移する感じ、または小節間の頭拍が推移する感じです。音のエネルギーの動きを体の重心移動と同期することにより、拍の推移の感覚を体感するのです。スキーをご経験の方は右、左と滑る感じ。あの滑り込みの感じですね。気持ちいいんです。「スーッ、スーッ、」と滑る感じなんです。弦楽器の滑り方と体が同期すると爽快です。　私が爽快感を感じるのはシューリヒトはじめ、バッハのカンタータの通奏低音の滑り込み、その他ですかね。そのリズムにカチッと音がはまったとき、音楽が有機的に結合したなんともいえない構築感を感じます。裏拍がハマッときも気持ちよいのです。　今はこのくらいしか述べられません。「論考」にはいたっていませんし、稚拙な表現ですがご勘弁ください。揺れすぎてご家族から怪しまれないよう（笑）。新興宗教みたいですね（笑）。今回も拙文ながら、取り急ぎ御礼まで。失礼いたします。

RE:演奏者としての意見　投稿者：toshiharu 　投稿日： 3月 4日(火)09時25分00秒

楽古堂主人・大内史夫様のご依頼により、代理アップです。遅れてすみません＞大内様ａｏｓａｎ様へ。・　aosan様の「演奏者としての意見」を、興味深く拝聴しました。・　たいへん優れた分析だと思います。・　シューリヒトの音楽の魅力を、的確に分析してくれています。・　ただ、aosan様の意見は、まだ「試論」の段階であり、混乱している部分が、以下の二点に見受けられます。Ａ「演奏者としての視点」と「聞き手としての視点」の混乱Ｂ「リズム」と「ハーモニー」という視点の混乱・　まず「演奏者の視点」と「リズム」についてaosan様の意見をまとめます。１・楽器が違うと、発音のタイミングを合わせるのは難しい。２・吹く楽器と擦る楽器では、出音のタイミングが違うのは容易に想像できる。３・シューリヒトの演奏では揃っている。４・シューリヒトでは、リズムが一定しているからである。６・団員もリズムを合わせることができ、演奏しやすい。（ここで、「金の本」が有効に、その価値を発揮しているでしょう。）７・団員の呼吸が、楽団の音となり響きとなる。・　次に「聞き手としての視点」と「ハーモニー」について。８・和声が、（聞き手にも）響いて聞こえる。９・異なる楽器の発音のタイミングが、あっているからである。・　二つの視点のまとめ。１０・その「響きの波」が、聞き手のリズムと同期している。１１・聞き手の胸に、「素直に」リズムが飛び込んでくる。１２・（「リズム」と「ハーモニー」と、おそらく「メロディ」も含めて、音楽の三要素が適切に融合した）響きの（波の）連続が、密度の濃い演奏表現を（演奏者に可能にして）（聞き手に感動を）生み出している。・　なぜ、自分がいつも妙な「指揮ごっこ」を始めるのか？・　ようやく、正当な理由付けができました。・　嬉しいです。・　当然の身体的な反応だったのですね。・　感心いたしました。・　小生が拝読した中で、もっとも納得できるシューリヒトの演奏の分析のひとつです。・　ぜひ、もうすこし整理されて、論考の形とされることを希望いたします。・　たとえば、「響きの波」と「ハーモニー」は、同一でしょうか？・　ひとつの和音（協和音、不協和音ともに）が奏される時の時間、音量。先行する、または後続する和音との対比。・　そのような和音が連続し、時間の中で展開する音の流れの総体が「響きの波」になるのではないでしょうか？・　シューリヒトの木管と金管の音の重ね方、また人声の「ハーモニー」の処理の仕方の特徴はなんでしょうか？・　さらに、ご精進下さい。（２００３・０２・２７）

シューリヒト１０枚組ＣＤ試聴記５　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 3日(月)22時23分10秒

つまり、演奏のスケールは大きくなり、盛り上がりも効果的になされています。音質が明瞭になった分だけ、演奏者の個性が聞き取れるようになったということでしょうか。第一、二楽章のクライマックスにおける、金管の強奏は感動的です。シューリヒトの演奏からは、さまざまなものが聞こえてきます。ただし、聴衆に媚びるような下品さは、彼の音楽にはないものだと思います。1956年、ウィーンフィルの最初のアメリカ・ツアーに、この曲を選択した彼は、音楽の造型に自信を持っていたと思います。他の楽団の金管と比較試聴するとどうなるでしょうか？

シューリヒト１０枚組ＣＤ試聴記４　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 3日(月)16時52分02秒

宇野功芳氏の「スケールがやや小さく、盛上りの効果の弱いのがマイナス」（『モーツァルトとブルックナー』帰徳書房・昭和48年・pp226）という評価は、「録音もまた充実感を欠きそれが大きなハンディキャップになっている」という判断のとおりでしょう。この印象は特に第四楽章において、大きく訂正を迫られると思います。金管がしゃべりすぎ歌いすぎ、ブルックナーの音楽よりも演奏者個人の、呼吸や吹き癖を感じさせることだけが、やや残念。シューリヒトは、前夜の議論と練習で抑制しようとしていたはずですから。

シューリヒト１０枚組ＣＤ試聴記３　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 3日(月)16時20分49秒

DISK1。ハーグ・フィルのブルックナー『交響曲第７番』。宇野功芳氏は、『クラシックＣＤの名盤』（文春新書・平成11年・pp227）で「第一楽章、第二楽章の豊かな安定感、および録音の豊かさにおいて、わずかにマタチッチを上にしたい。」と述べておられました。このわずかな差は、イアン・ジョーンズ氏のリマスタリングによって、逆転したのではないでしょうか。NONESUCH盤（H71139）では、比較になりません。

(無題)　投稿者：なべ　投稿日： 3月 3日(月)09時08分51秒

シューリヒトボックス、まだ手元に届いていませんが、皆さんの話を聞いていると、イアン・ジョーンズのリマスターという事で勝手に期待して、事前に（発売分の）ＤＥＮＯＮ版を全て人にあげてしまった私の立場は一体…

Re：作曲家至上主義？　その２　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 2日(日)19時10分15秒

　一方ではBOXが発売されているこのタイミング、ひょっとしたら多くの人がこの掲示板をみているかもしれません。もっと新しい人が自分の言葉で気軽に書き込みして、素直に感想を書き込んで、仲間を増やしたいのも率直な気持ちです。　シューリヒトファンの音楽解釈のレベルは高いと個人的には思います。ファン歴の長い方がほとんであることと、交響楽への触れ合っていた時間が長かったことによると思います。　その中で私は「楽器経験の無い人」、「楽譜を読んだことのない人」と、ちょっとアマ演奏者としてクラッシック・ギターを演奏した経験があるので、私が”橋渡し役”になれればといいなと思い、演奏者の立場として思うがままに書き込みを続けてきました。しかしそれは私自身の考えが甘く、私の思い上がりも甚だしい限り、安直な言葉がかえって読み手の混乱を招くだけです。それではせっかくの今のBOX発売のタイミングにはふさわしくないと思います。　ケーキを例にすることを許容してくださるならば、上品なケーキを口にして味わい、「美味い」と感動して感動を共有しあうことは素晴らしいです。でも私はその「美味さの秘密はなに？」を作り手の立場からもっと知りたい。その秘密は素材かもしれない、技術かもしれない。歴史かもしれない。そこまではいいのですが、その感動の衝動を冷静にならないまますぐに言葉にしてしまって他人と価値認識を共有しようとしているのがよくないようです。かといって、また新しいケーキが出たよ、と告知しあう情報掲示板だけも、なんとなくですね・・・。　まとまりのない文章、かつ長文で申し訳ありません。勉強してまた出直します。ちなみにブルックナーに関しては、「ブルックナー・マーラー事典（東京書籍）」を入手してみました。10年前発刊の本ですけど、情報としてはまだ信用できるのでしょうか。ブルックナーのスコアもネット発注中。あ、版を確認してない・・・。それでは（すごすご）。

Re：作曲家至上主義？　その１　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 2日(日)19時08分31秒

＞信一様返信と詳細な注釈を投稿していただきありがとうございます。お休みなのに恐縮です。「作曲家至上主義」「原典主義」「演奏家至上主義」・・・。私が偶然、どこか何かの機会に知りえた文言を、その意味を深く考えぬままポンと文章中に使用してしまって投稿してしまいました。私の曖昧な言葉の選択のせいで、そのたびに説明責任を感じられる信一様にお詫びいたしますとともに感謝いたします。　これらの過去ログの記事は貴重ですね。ブル９、ジュピターの指摘箇所の確認はまだしていませんが、普通の鑑賞者は意識していない部分、詳細解説は嬉しいです。　音楽を言葉で語るのは難しい。でも音楽に出会うと感動し、ちょっと深いことを話したくなる衝動と人と認識を合わせたい欲求があって、書込みという行為に走るのですが、本来は言葉の定義から見直さなければなりません。使用する言葉が話し手の血肉とならなければ話したいことも話せない、コミニュケーションのルールです。一番無難なのは音楽の感想として「気持ちいい」「良い」「爽やか」という、人と共鳴しやすい形容に限局すること。でもそれでは進歩にならないのではないかと思うが故に、自分なりの言葉を用意するのですが、そこで定義の認識を明確にしておかないと今回のような誤解を招いてしまいます。いや、私自身が「作曲家至上主義」という言葉のもつ定義について誤解していたのでしょう。　対面会話においては「貴方のおっしゃる作曲家至上主義とはなんですか？」と聞き返すことによって即時に「言葉の定義とその認識を合わせることが可能」ですが、掲示板やメール等のコミニュケーションですと、このタイムラグが生じるのが難点。でも言葉で語る以上、言葉の定義の認識を合わせることは常識であり避けることができないことです。　「作曲家至上主義」について、「作品至上主義」と言い換えたほうがよいのか、作曲家＝楽譜なのか、またはそうでないのか、思想をさすのか、そうでないのか。シューリヒトの場合は、いずれの言葉も全く言葉をあてはめてはいけないのか、正直よくわからなくなりました。多分シューリヒトの使用した楽譜をみないことにはこのテーマは私には継続不能です。交響楽を耳でコピーし、語ることは、私の知識では「危険」と判断しました。　すべては発信者たる私の音楽を説明する上での日本語の語彙の少なさと語法の認識の誤り、さらに音楽史や音楽用語の関わりについての勉強不足、聞き込みの浅いまま言葉に発してしまう安易さに責があります。書き込みにも少し慎重にならないといけないです。そして信一様はじめ諸先輩方には誠に申し訳ないのですが、私の言葉の定義づけが曖昧な場合、これまで同様、的確に指摘していただけると光栄です。それは一見面倒で、ボランティアに近いですが、「既知の人が正しい知識を無知な人に伝えて、皆の鑑賞レベルを上げる」という文化継承につながると思います。これらのプロセスには非常に時間と手間がかかり敬遠されがちです。ひょっとしたらシューリヒトも団員たちにそうした手間を惜しまなかったかもしれませんね。　しかも書込みも私のたらたらした言い訳長文で過去ログに追いやられるのも辛いです。

ワルツは素敵　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 2日(日)17時40分29秒

たびたびの書き込み失礼いたします。若輩者たる私はシュトラウスのワルツに感動しました。今回初体験の音源です。シュトラウスワルツ＝ホームミュージックというイメージが強かったのですけど、ここにある音楽は違うと思いました。”シャンペンポルカ”のシャンペンを抜く擬音（”ポン”）という音のタイミングですら必然性を覚えます（笑）。これらのワルツ演奏は、踊り手さえ踊ることを忘れ音楽に聞き惚れることでしょう。その反面お祭り騒ぎ同然のニューイヤーコンサートのワルツなんて・・・（ぶつぶつ）。　ステレオ録音から聴き続けたファン歴の長い方には、どうやら期待外れの部分もあった様子で、その気持ちは充分ご察しいたします。私は商品不良という点以外では満足しています。ちなみに私のシューリヒト体験は以下のとおりです。１．昨年９月頃、CD販売店で入手できる国内版CDは、DENON盤では、ブル７、リンツ＆プラハの２枚のみ、EMI盤では”20世紀の偉大なる指揮者シリーズ”およびブルックナーとベートーベンくらい。DENON盤は上記２枚しか体験できず。昨年９月時点でScribendumからの今回BOX発売の告知済、コンサートホール音源の入手（DENON盤）は据え置く。２．Fresorの"Art of Carl Schuriht"の５セットを入手。ライブ音源の音質は悪いながらも、活力ある演奏（国連コンサート）にすっかり打ちのめされる。３．以降は修理人様のCDリストを頼りに、ライブ音源はじめその他国内盤、裏音源蒐集に　　明け暮れる（現在継続中）。４．ようやくScribendumのBOX発売。ようやくシューリヒト芸術の境地の体験に至る。　すなわち音質の悪いライブ音源からコンサートホール盤に至る、といういわば、シューリヒト演奏の”試行の軌跡”を辿った、すなわち偶然にもある芸術家の極みに至る追体験を出来たのかもしれません。今回のBOXに関しては無知であるが故、過去音源との比較以前に、その昇華された芸術性とライブ音源よりも比較にならない格上の音質、これまで意識していなかった響きに圧倒されている次第です。　しかし、ステレオ盤で聞くシューリヒトには今まで聞き逃していた響きも克明に記録されており、これら更に再確認すべく、聞き直さなくてはいけません。　コンサートホールソサエティを実体験されている方々にとって、この芸術家を崇拝する気持ちがものすごくわかりました。ここにある音楽は私にとっては完全に近い形。それを既知である方にとっては復刻に対して、並ならぬ期待感を抱いていたに違いありません。それが望むべき復刻状態でなかったことは残念です。無知たる私の方が幸せだったのかもしれません。　今回このBOXを購入した方には、私のファン歴の浅い人もいるはずなので、将来へのシューリヒト福音（辛気臭い）の出発点としては評価できるのと思ってます。ジャンルは違えど、例えばビートルズの音楽をニューエイジ（死語？）が聞いて新鮮に感じる気持ちと似ています。以上が率直な気持ちですが、私の考えは甘いのかもしれません。失礼いたします（すごすご）。　

ウィーンかたぎ　投稿者：信一　投稿日： 3月 2日(日)17時22分09秒

大内さんこんにちは、私も今日シュトラウスを聞きました。こんなにいい演奏だったかと感心しきり。このシュトラウス、とくに歌うわけでも身をよじるようにテンポを動かすわけでもありませんが、”薫り”ますね。ウィーンかたぎのさびの部分、こんなにつつましく演奏された例を知りませんが、なんて美しいのだろう！！　誰が名づけたか”白い魔法”。この不景気と不安の時代の”汚れちまった悲しみ”を癒してくれる純白の花束ですね。

作曲家至上主義？　投稿者：信一　投稿日： 3月 2日(日)17時08分17秒

AOSANさんこんにちは＞作曲家至上主義という誠実さはもしこの言葉が楽譜に忠実という意味を含んでいるのなら異論があります。彼は、自分自身を古い世代に属する音楽家といっていますが、これは、トスカニーニが楽譜に権威をもたせた以前の世代に属するという意味だと私は捉えています。つまり楽譜が道しるべ程度の価値しかもたなかった時代の人間であると… また別の機会では、こんなことを言っています。”大作曲家の作品すべてではなく、優れた作品を演奏する。”この意味は、”大作曲家の作品の中にも駄作が存在するから”です。さらに、”私自身が価値を認められない作品を指揮したりはしない”ともいっています。語ることと行動が必ずしも一致するするわけではありませんが、シューリヒトの解釈を考える意味で,この言葉はきわめて重要です。大作曲家でも駄作があるというと、進んで、優れた作品の中にもまずい部分があるということになり、まずい部分をそのまま演奏したりはしないということになります。これは、彼の後の世代、ケンペやベーム、あるいはヴァントと一線を画する態度です。シューリヒトは演奏法自体は客観的でも、作品に向かう態度は主観的であったと私は思います。（自分自身の価値観に忠実であったという意味です。）従って、同時代の作曲家はシューリヒトを尊敬はしても気詰まりを感じたことでしょう。（見事に演奏するが、自分の欠点を見透かされるようで…）具体的な例として、ディーリアスとの関係があります。ドイツでの彼の音楽の紹介者としてパイオニアであったわけですが、あまりに見事に”編曲”するのでうれしいながらもディーリアスは当惑しています。ここには、ラベルに私淑したペルルミューテルとはまったく違うタイプの音楽家がいます。残された録音の中から同様な例をあげてみましょう。ブルックナー第９の第三楽章　練習番号F　93小節から　WIEN盤８分29秒から　楽譜ではターンタータ/タンタンという音形をFFで、まず金管、木管、金管、木管と交互に吹くことになっています。弦（バイオリンのみ）は金管から半拍遅れてその後の歩みを決定する重要な音形を奏します。　楽譜に従うと弦の意味が薄れるので、最初の金管のFFをおさえ、木管のあとではじめて金管をFFにする指揮者が多いのですが、シューリヒトは木管の部分をホルンの強奏にかえ、この掛け合いの順序を逆にしてしまっています。あまりに堂にいっているので長い間気が付かなかったのですが、大胆この上ありません。（バイエルン盤も同じ変更があります。）モーツァルト”ジュピター”第４楽章　WIEN盤　5分16秒　モーツァルトが書いた最高峰のフィナーレのクライマックス、フーガの入りはまずヴィオラから始まりホルンに受け継がれます。とくにヴィオラは導入ですから重要な意味を持ちます。この演奏を聞くまでこれでよいと思っていたのですが、考えてみると鈍いビオラの後にホルンのフォルテは音色的にもバランス的にもうまくありません。シューリヒトはこのヴィオラの導入を正体不明のうつろな響きにし（僕には弱音器をつけたトランペットに聞こえる）ホルンを朗々と鳴らしてフーガの始まりとしてしまっています。　これがもし、ワルトトイフェルならわかりますが、モーツァルト、ブルックナーの最高傑作の重要部分で行われている点に注目してください。楽譜や作曲家の権威などに屈せず、自分の信じる理想をためらうことなく実行する”嘘のない”（宇野氏の言葉の中でこの言葉が一番好きだ）音楽家の姿があります。　シューリヒトの作品に対する”誠実”は、厳しい自己批判の末に自己の信じる解釈を施すことにあるのであって、作曲者や楽譜に奴隷化する”誠実”ではないと思います。その点においてきわめて主観的です。　　欧米や日本の評論家の中にも、主観的な時代の指揮者の中で例外的に楽譜に忠実な指揮者だった。と書く人が多いのですが、これは客観的解釈→楽譜に忠実と短絡した間違った意見だと思います。　AOSANさん　ペルルミューテルの生き方を批判しているのではありませんので気を悪くしないでください。シューリヒトの生き方はシューリヒトのような独自の天才に許されることなのであって、特別な例だと思います。　前にも書きましたが、シューリヒトの解釈は、楽譜と彼の間で完結していて、カラヤンのように目はつぶっても背中の目で聴衆に色目を使うことがありません。彼の魅力にとりつかれると彼自身を知りたくなるのはそのせいだと思います。

シューリヒト１０枚組ＣＤ試聴記２　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 2日(日)13時06分53秒

信一様の助言にしたがって、気を取り直してＤＩＳＫ３のシュトラウスの「ワルツとポルカ集」を聞きました。これはレコードよりも、数等、新鮮な颯爽とした演奏の録音。「シャンペン・ポルカ」の酔ったような表現のニュアンス。楽員も指揮者も笑みを浮かべている光景が見えるよう。「ジプシー男爵序曲」メドレー（？）。失われた時代の栄華。郷愁という名前の詩情さえ感じました。これだけでも大枚6、900円を払う価値はあります。信一様、御教示をありがとうございました。

シューリヒト１０枚組ＢＯＸ試聴記　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 2日(日)12時42分48秒

小生のＤＩＳＫ８と９の『ブランデンブルグ協奏曲』は、情けない状態です。オープンリールの時代に、テープが湿気を吸って、ワカメのような状態になった時の音を思い出しました。高音の弦が、「へにゃへにゃ～」と聞こえます。それと対照的に、ハープシコードが前面に出て来ました。妙に大きく聞こえます。レコードでは「生きる喜び」に満ちた溌剌とした音楽なのに。長年の愛聴盤です。ＣＤ化を楽しみにしていたのです。聞き続ける気力が萎えてしまいました。

情報開示に感謝いたします。　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 2日(日)09時07分04秒

信一様専門的な知識をいただき、未熟な私がネットにかじるつく時間を省略していただきました。これでCD鑑賞に当てられそうです。この掲示板は本当に素晴らしいですね。皆様のシューリヒトへの畏敬の念がなせる業でしょう。＞圧縮率を高くしてMP3化したときのようなデジタル特有の不安定さ非常にわかりやすい例えですね。そうかもしれません！！！！＞接着剤が硬化する際に成分の一部がガス化してCD面に回り込み、汚れとして付着した？ CD円周面を触るとベトベトして不快です。最初ジャケットの糊が転写したのでは？と書きましたが、ジャケット接合部分はどうやら両面テープで貼り合わせているだけのようですし。溶剤が飛び出したとも考えられます。　またCD側面のカットの仕方も粗いですね。極端にいえば、手でカッターで不器用に削ったみたいです。音源権利買取とマスタリング工程にコストをかけて、CD製造工程コスト、検品工程は省略してしまったのでしょうか。　いずれにせよ、今回のBOXで、業界への一投の石になりえた様子ですね。今回は過程として別レーベルでも更に良品が発売されるとよいのですが。何年先でしょう？　　EMIとペルルミュテールの件、は私の”妄想”です。Nimbus再建は某大手ショップの店員から聞きました。　みなさんごめんなさい、ペルルミュテールについて語らせてください。ペルルミュテールのショパンワルツ集はDENONで取扱い中です（COCO-80562）。AADなので音はボケています。でもラベルの直弟子であるので、ラベル演奏が聴きモノ。Nimbusの晩年のラベル演奏は、ミスタッチはあるものの小節間のインテンポ、作曲家至上主義という誠実さはシューリヒトとの演奏姿勢と共通するものがあると思っています。私の心のメトロノームと一致する演奏家です。Voxから旧録が出ておりこれは今でも定期入荷するようです。Nimbus盤は１か月前なら渋谷タワレコの店頭にありました。もはや入手困難のCD、ラベルに興味のある人は賛否両論でも入手すべきでしょう。　音楽の友社よりペルルミュテール校訂・監修によるラベルピアノ曲集（全３冊）が発売中です。収録曲目は「パバーヌ」「古風なメヌエット」「水の戯れ」「ソナチネ」。それぞれの巻頭にはペルルミュテールの演奏時に使用した楽譜の写真が掲載されていて、色鉛筆や万年筆で様々な書き込みがいっぱいされています。中味の楽譜は青活字でペルルミュテールの指示が記載されていて、ピアノのテクニック以外の指示はもちろんラベル自身の指示。ラベルが以下にテンポ設定にこだわったかがわかります。　文献では「ラベルのピアノ曲」という解説書が同社より出ています。女流ヴァイオリニストのモランジュと、ペルルミュテールの対談ですが、モランジュの語りがほとんどを占め、ペルルミュテールは相槌をうつ、という内容。いぶし銀です。少ない言葉でも説得力があります。興味のある方は楽譜屋で立ち読みしてみてはいかがでしょう。ペルルミュテールは昨年9月4日、享年98歳で逝去されました。彼のお弟子さんの今後の努力に期待します。　シューリヒトの「金の本」もいろいろな書き込みがされているのだろうなと勝手に想像しています。音楽表現を音楽以外の手段で伝えることは難しいです。言葉、図形または線、身振り、手振り・・・etc.「金の本」も出版されるといいなあ・・・（妄想）。　最後は無理矢理シューリヒトとつなげてしまいました。失礼いたします。

なるほど　投稿者：信一　投稿日： 3月 2日(日)01時37分22秒

AOSANさんこの情報、僕にとってはうれしい限りです。どうもありがとう＞このプロジェクトで、ヴラド・ペルルミュテールの音源がリマスタリングされること。コンサートホール録音のショパンのワルツ、大昔聞いて感心しました。粋とはこういうものかと思ったものでした。ショパンがまったく理解できなかったころに唯一感心した演奏でしたので思いで深いです。今聞くとどうかわかりませんが楽しみです。＞噂だとNimbusは経営再建して、新譜は引き続き発表するらしいですが、過去音源リリースはしないそうです。つまり、過去音源の権利を売り渡したということですね。あそこのリプロデューシングピアノのシリーズ（とくにパデレフスキはすごい）とSP時代の大歌手の復刻は、驚愕のオタク振りとクオリティーでした。ブリリアントに音源移行しているようなので”驚愕の激安BOX”で発売されたら”買い”です。皆さん　シューリヒトとは関係なくてすいません

RE Re:汚れはないのですが　　投稿者：信一　投稿日： 3月 2日(日)01時20分26秒

aosanさん＞マスターテープによるもの？僕もそうあきらめようとしましたが、トラブルの状態はアナログ的な症状とは明らかに違い、たとえば圧縮率を高くしてMP3化したときのようなデジタル特有の不安定さを示しています。マスターの経年変化による音質劣化が原因ではないでしょう。次に考えられるのはマスタリングの過程でのデジタル化の失敗ですが、これが素人が家庭用のDATでテープからデジタル化したなら話がわかりますが、天下のアビーロードでのマスタリングです。まずありえないでしょう。 LP時代の私の記憶とBOXの結果ワルツ　LP　ボケ音　→BOX　しゃきっとした音メンデルスゾーンの序曲　LP　明快でクリーンな音（コロンビアが発売したときのレコード芸術の録音評は最高点に近かった！！）　→　BOX　ひずみっぽくざらざらした音明らかに矛盾しています。＞盤面自体のムラが異様なまでに乱れていること。これまでの書き込みによる情報から察すると、どうも製板不良の可能性が高いですね。最初は付着物のトラブルから想像して、目に見える汚れがなくとも、接着剤が硬化する際に成分の一部がガス化してCD面に回り込み、汚れとして付着したのではと考えたのですが…。悲しいけれどCDの生産不良（CD生産時のアルミ信号膜の変形）だと思います。音質劣化のプロセスはアルミ面の角度変化、信号を読み取ろうとしてレーザーピックアップの補正機能が最大になり、駆動電流が上昇して、プレーヤー内の回路に悪影響（高音劣化）。それでも信号は完全に読みきれずDAコンバータがデータ補完してアナログ化（微細な音が抜かれ、最悪の場合音程が変わってしまう）フリーソフトでCDデータ吸出しとして有名なCDeXというのがあります。このソフトでジッター補正を有効にして吸出しを行うと、吸出し中のうーｎジッター補正の状態を観測できます。もし、ジッター補正が頻繁に発生すれば、間違いなく製板不良でしょう。（通常は0のままです。）うーん　こんな話題じゃなく、演奏について書きたかったなぁー。でも、しょうがないですね。シューリヒトですから、CD生産者も厳しい自己批判が求められるのです。そのためには、こうした情報開示は必要です。＞EMIからの再発盤が発売されることこの可能性は高いですね。特にこのごろのシューリヒトの売れ行きのすごさ！！（VIRTUOSOのベートーベン買い損ねました。）東芝EMIが目をつけないはずがありません。ただ、東芝の方にご忠告。日本語解説つけたぐらいでは売れません。一枚2000円程度の価格設定するのであれば、ビクターがWESTMINSTERの音源を発売したときのような、”マスターテープ発掘、再リマスタリング、たまげる高音質化。”が必要です。あるいは、別テイク発見とか… そうでないと10枚組20000円の日本盤なんか買う意味ないですから。

Re:汚れはないのですが　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 1日(土)21時49分29秒

＞信一様こんばんは。私は実はDENON盤すら持っていないので、音質の点については判断できないでいます。信一様同様、下記の点が気になっています。１．メンデルスゾーンの盤（確か）に、ワウのような音揺れがあること。２．時々わずかな音切れが散見されること（どのDiscかは忘れました）。３．盤面自体のムラが異様なまでに乱れていること。以上の現象は、CDの製板方法についてネットで調べてから書き込みしようかと思いましたが、信一様同様の印象を受けたことは確かです。　でもシューリヒト音源についてはライブ音源から入った私、「マスターテープによるものだろう」と看過しておりました。「デジタルの情報不足のときに起きる音ゆれ」「製板不良による読み取りミス」とまでの判断までは、専門知識不足のためできません。信一様のおっしゃる「現象」は認識できます。　記録面のムラが著しい、これは気がかりです。経年変化等によりプラスティック板とデータ記録面との剥離などの可能性はないのでしょうか。メディアについての知識不足のため、この不安は解決できないでいます。　以下は私のくだらぬ妄想です。相手にしなくて結構です。笑ってあげてください。＜くだらない妄想　その１＞ EMIイアンジョーンズの起用により、EMIがシューリヒト音源に目をつけ、権利を買い取り、将来、EMIからの再発盤が発売されること。＜くだらない妄想　その２＞コンサートホールつながりで、このプロジェクトで、ヴラド・ペルルミュテールの音源がリマスタリングされること。噂だとNimbusは経営再建して、新譜は引き続き発表するらしいですが、過去音源リリースはしないそうです。あ、Nimbusはコンサートホールとは違いましたね。残念。確かコンサートホールでは”ペルルミュテ”と印字されているんですよね。以上、愚言でした。失礼いたします。

汚れはないのですが　投稿者：信一　投稿日： 3月 1日(土)20時36分09秒

皆さんこんばんは私は山野楽器で購入しましたが、汚れはないものの音には不満があります。ちょっとつらいものがあるので全部聞いていないのですが、メンデルスゾーンの序曲２曲はシューリヒトの録音の中でもかなり録音品質のよいものだった記憶があるのですが、ひずみがある上に”ウワウワー”といったデジタルの情報不足のときに起きる音ゆれがあります。今日、プラーハを聞いてやはり同じようにあるのでがっかりしています。原因を推定すると、製板不良による読み取りミスかと思いますが、皆さんはどうでしょうか？山野にTELして交換してくれることになっていますが、ちょっと不安です。

Re:シューリヒト１０枚組ＢＯＸ購入　投稿者：aosan 　投稿日： 3月 1日(土)19時10分14秒

＞大内様こんばんは。しばらく掲示板を占拠してしまいまして、書き込みづらかったのではと思います。汚れがなかったのはなによりですね！！私の知り合いの所有するBOXにも汚れはなかったそうです。ということは私は一体・・・。試しに「宝くじ」でも買ってみましょうか。ツキの運が巡ってきていたり・・・!?

シューリヒト１０枚組ＢＯＸ購入　投稿者：楽古堂・大内史夫 　投稿日： 3月 1日(土)17時35分01秒

秋葉原の「石丸電気」で購入しました。石丸さんとは、レコードの時代から３０年近くになる、長い付き合いです。お願いすると検盤をさせてくれました。（指紋を付けないように、細心の注意を。）幸い汚れなどは、まったくありませんでした。店頭在庫分です。あと２セット分しか残っていませんでした。再入荷すると思いますので参考までに。

ScribendumシューリヒトBOXその後　投稿者：aosan 　投稿日： 2月28日(金)23時15分39秒

皆さんこんばんは。 ScribendumシューリヒトBOX、お楽しみでしょうか。実家の父母がクラシックのCDを欲しがっていたので、せめてものの親孝行にと３セット目のScribendumシューリヒトBoxと、同じくシューリヒトのEMI盤のベートーベン全集を贈呈しました。といいますか実家に帰ったときの私自身の退屈しのぎのためと火事、泥棒の場合のリスク分散のため（冗談です）。　店で購入後、近くの喫茶店で検盤しました。見事に例の付着物、別の盤には指紋がべったりついていました。お店に戻って店員さんと店頭で新品３セットぐらい空けてもらって、それぞれの盤についてベストチョイスしてくれました。別セットの内ジャケのカヴァーにピンクのインク汚れなども見つかり、さすがの店員さんも恐縮そう。そんな私はまさしくクレーマー。しかし優良企業を育てるのは他ならぬ消費者の声、なんちゃって。　ちなみにお店は新宿タワレコ。タワレコでは誤植ブックレットは３月下旬頃に新しいものを改めて作製しなおす、とのことでした。誤植ブックレットについては、何かしらの対応はされるようです。商品の販売も継続する意向である、と貼り紙には書いてあったみたいですが、店での滞在時間が短かったため、文章詳細はあまりよく読んでないです。すみません。なお、別の購入元のHMVからは未だ連絡ありません。私の場合、不良発生率100％。私の素行の悪いせいでしょうか。ショックを隠しきれません。　ところでDisc7:モーツァルトの盤の音質について、他のDiscの鮮明な音に比べて、全体的にこもり気味に聞こえる気がするのですけど、いかがでしょう。もし確認するタイミングがございましたら留意していただけると幸いです。　先日の私のシューリヒト演奏についてのコメントには、テンポとリズムの記述違いとか”機能和声”の定義が自分自身でも勉強不足で曖昧で、混乱を招いているかもしれません。すみません。音楽史、楽典等の言葉の定義を勉強して、また出直してきます。では。

ほっ！　投稿者：修理人 　投稿日： 2月26日(水)23時32分29秒

皆さんこんばんは。　Scribendumのボックスを、遅ればせながら入手しました。aosanさんの書き込みを読んでいたので、ドキドキしながら検盤しましたが、幸い付着物はありませんでした。　それにしても信一さんとaosanさんの深ーい書き込みを何度も読み直して、あたかも「音楽を語る」その場に同席しているような、嬉しい錯覚を覚えました。　これからもお願いしますね。なべさん、情報をありがとうございます。私は当分ＣＤ貧乏が続きそうです(^_^;。
編集済

RE:Virtoso　投稿者：aosan 　投稿日： 2月26日(水)23時12分51秒

たびたびの書き込み失礼いたします。＞なべ様情報ありがとうございます。入手困難の1956年1月26日モーツァルト週間の音源が２曲も含まれているとは嬉しい限りです。同日の３５番が収録されていればなあ・・・。ちなみに同レーベルのベートーベン選集、入手しました。所有音源がほとんどですけど、コンパクトにまとまっており,CD入れ替えの手間も省けて、なんとなくすっきり。過去音源との音質比較はしていませんが、「運命」はKINGと比べて散発ノイズが除去されている気がします。ジャケットの天使の絵が異様な雰囲気を醸し出しています。＞信一様正夢かもしれませんね！？　ブルックナーも出てきちゃいましたよ。ところで、保存用にとシューリヒトＢＯＸをもう一つ入手しました。８枚目CDのデータ記録面に、外周より１cmに付着物あり。再生チェックの上、影響なしとみなし、返品せずにクリーニングで対処することにしました。まずはご報告まで。障害報告掲示板みたい・・・。

Virtoso　投稿者：なべ　投稿日： 2月26日(水)21時11分47秒

先だってお買い得ボックスを出してくれたVirtosoが、３月頃にまた出すみたいです。持っている物も多いですが、値段が値段ですから、かなりお買い得感がありますね。 ①ブルックナー　交響曲選集 [DISC-1]交響曲第4番/シュトゥットガルト放送交響楽団/1955年4月5日 [DISC-2]交響曲第5番/ヘッセン放送交響楽団/1959年2月27日 [DISC-3]交響曲第7番/シュトゥットガルト放送交響楽団/1953年3月6日 [DISC-4]交響曲第8番/1961年 [DISC-5]交響曲第9番/シュトゥットガルト放送交響楽団/1951年11月2日 ②シューリヒト：名演集 [DISC-1]バッハ：管弦楽組曲第2,3番/フランクフルト放送交響楽団/1961年 [DISC-2]シューマン：交響曲第2番/NDR交響楽団/1957年　　　　　　　　　　交響曲第3番/パリ音楽院管弦楽団/1953年6月5-9日 [DISC-3]ハイドン：交響曲第86番/NDR交響楽団/1961年　　　　　　　　　交響曲第100番/シュトゥットガルト放送交響楽団/1960年　　　　　　　　　交響曲第104番/フランス国立管弦楽団/1955年9月 [DISC-4]メンデルスゾーン：交響曲第4番/シュトゥットガルト放送交響楽団/1954年1月28日　　　　R.シュトラウス：死と変容/シュトゥットガルト放送交響楽団/1954年5月20日 ③モーツァルト：作品集 [DISC-1]交響曲第23番/ウィーン・フィル/1956年1月26日　　　　交響曲第35番「ハフナー」/ロンドン交響楽団/1965年1月4日 [DISC-2]交響曲第36番「リンツ」/パリ国立歌劇場管弦楽団/1964年11月　　　　交響曲第38番「プラハ」/ベルリン・フィル/1964年10月7-9日　　　　交響曲第40番/スイス・イタリア放送交響楽団/1961年4月27日 [DISC-3]ピアノ協奏曲第17番/シュトゥットガルト放送交響楽団/1954年9月24日　　　　ピアノ協奏曲第22番/ウィーン・フィル/1956年1月26日 [DISC-4]フィガロの結婚序曲/シュトゥットガルト放送交響楽団/1962年12月19日　　　　アリア「愛の神よ照覧あれ」/シュトゥットガルト放送交響楽団/1959年4月6日　　　　セレナード第7番/シュトゥットガルト放送交響楽団/1962年12月19日

拙文で恐縮です。　投稿者：aosan 　投稿日： 2月26日(水)02時32分34秒

信一様拙文で恐縮です。シューリヒトについては語っても語りきれないので、最小限のレスにさせていただきます。先程たらたら文章を書いてたら４０００字超えて投稿できませんでした。音楽を言葉で語るのは難しいです。でもシューリヒトの音楽は普遍であると信じてやみません。＞＞たとえばベートーベンの英雄の１楽章＞パリ音楽院との録音を意識しているのかな。そのとおりです。「ｆｐとｓｆをどう捕らえるかがこの楽章の聴き所」、そうですかあ、辻斬りのような刻みに、体が音楽を受容していました。スコアは持ってるだけで読んでいない無精者です。それにしてもこの録音の冒頭やあちこちのsfの音の揃い方は”辻斬り”に合ったような鋭さです。もっとオケの音って”もわっと”発音のタイミングが遅れるものだと思っていたのですが、この録音は違うし、シューリヒトの”ザン”というアジタートのような爆裂音は凄い。短絡的な捉え方ですけどね。ベートーベンやブラームスの弦と木管と金管が一斉に鳴る”ぴひゃぁー”という音がシューリヒトを聞くまでは、どこか間抜けな感じがしてサウンドが馴染めなかったんです。音が揃ってないから間抜けなのでしょか。でもシューリヒトの音は鋭いんです。それでいて効果的なのです。おかげで両作曲家とも好きになりました。楽器が違うと発音のタイミングを合わせるのって難しいと思うのです。オケ楽器はわかりませんが、吹く楽器と擦る楽器では出音のタイミングが違うのは容易に想像できます。それがシューリヒト演奏では揃っている。団員の気持ちが揃っているという精神論に走らざるを得ないですが、なぜなんでしょう。＞私にとってシューリヒトの最大の魅力は”若々しさ”です。そのとおりだと思います。音楽が弾んでいて、リズミカルで活き活きしていて、初々しいんですよね。なぜなのでしょうね？「耳で聞く音楽」「心で聞く音楽」のたとえについてはすみません。テーマをリズムに限局していただければ、聞き手と弾き手がリズムにおいて同期しているか否か、聞き手が拍子を意識して鑑賞しているか（少なくとも小節の頭拍）、くらいの程度でご勘弁ください。「心拍で聞く音楽？」うーん。　シューリヒト本人について、作曲家、曲についてもまだまだ知識は足りませんが、シューリヒトの音楽は、西洋音楽の基本たる音楽三要素（リズム、メロディー、ハーモニー）の基本に則った音楽であることは断言できると思います。聞き手にそれを感じさせ、かつその機能和声の構成、カデンツ（終止）での終止感といった基本的な音楽をきっちりと、それも新鮮に聞かせてくれるのです。単純ですけど快感です。音楽三要素を意外と演奏家自身が歪めてしまって、聞き手とリズムを同期できないまま、迫力や精神表現に偏った表現に傾倒してしまう演奏家は意外と多いのではないでしょうか。　機能和声に則った演奏の手本と最大効果の一例を示してくれたのが私にとってのシューリヒトです。といってもスコアリーディングしながらの鑑賞をしているわけではありません。なんとなく小節線が見えるんです。ぼんやりと。ちょっとした内声の変化に気づいたときも新鮮です。８分音符＋１６分音符二個の”タンタカ”リズムをこんなに活き活きと表現できるのでしょうか。それもオーケストラという多人数の集団で。　異なるハート、異なるリズム感を持った団員が、一つの棒の下で、個人のリズム、アーティキュレーション、楽器が理想の状態で鳴るポイントを生み出すマジックは、たぶん団員と呼吸を合わせることができ、団員も演奏しやすかったのではないかなと思います。もちろんパート譜の秘密もそうでしょう。　私はオケ団員とシューリヒトのリズムが同期し、それが団員の呼吸から音となり響きとなり、その響きの波が聞き手のリズムと同期して、聞き手の胸に「素直に」飛び込んでくるのだと思います。なぜなのでしょうね・・・。でも音楽三要素が肝の一つだと信じてやみません。謎にせまりたい。スコアも読まなきゃ・・・。でも楽典も勉強しなきゃ。となるわけです。とにかくシューリヒトと出会えてよかったです。また長文ですみません。シューリヒトを語りだすとこれだから・・・。では。

RE シューリヒト：チャート情報　投稿者：信一　投稿日： 2月25日(火)23時18分15秒

aosanさん素敵な文章をありがとうございます。シューリヒトについての文章を読んでいて彼の音楽同様爽やかな気分になったのは久しぶりです。＞それも支離滅裂の文章。とんでもない、凡百の文章よりシューリヒトの本質に触れていると思います。＞内在するリズムに秘密そのとうりだと思います。あえて付け加えさせていただけるなら、シューリヒトは音の強弱だけでなく”響きの濃淡”でリズムを表現できる稀有な指揮者の一人ではないでしょうか、長い経験と深い知識がこれを可能にし、彼から無用な力みを開放しているのだと思います。＞たとえばベートーベンの英雄の１楽章パリ音楽院との録音を意識しているのかな。ｆｐとｓｆをどう捕らえるかがこの楽章の聴き所ですがｆｐを重要視するとテンポを遅くしてｓｆを甘くしなければならない。ｓｆを強調すればｆｐは効果が薄くなる。あの録音のシューリヒトは惚れ惚れするほど完璧です。ｓｆは鮮烈でｆｐと共存しリズム変化の面白さが満喫できる。冒頭のチェロの上昇音形にアクセントをつける”シューリヒト開始”は、3拍子であることを聞き手に意識させるもので、その後の”３対２のリズムの面白さ”を効果的にするためでしょう。＞小節というサイクルの積み重ねで曲を構築していくことを意識しているそうですね、それから、テンポ操作も小節単位で行われる事が多い。これもテンポを操作しているというよりある音をテヌートしたりすることで小節内のリズム構造を崩し、デリケートな表情や緊張感を作り出している。そしてこれを効果的にするためには、全体がインテンポであるかのように聞き手に意識させなければならない。ちょっと言葉に違いはあるかもしれませんが、思いはほとんどＡＯＳＡＮと同じではないでしょうか？私にとってシューリヒトの最大の魅力は”若々しさ”です。それは、”新鮮さ”といっても良いかもしれない。ルーティンな演奏から逃れ、初めて演奏するかのような”新鮮な感動”を表現するためにすべての努力が凝らされている。私にはそう思えます。 ”枯淡”とか”淡白”とゆうレッテルは、前にも書きましたがまるで的外れではないでしょうか？墓の下のシューリヒトはきっと怒っていると思いますが，，，，＞「耳で聞く音楽」ちょっときついな、理想は「心で聞く音楽」だと思いますが、考えなければ理解できない表現があり、理解のあとにはじめて心が反応する表現があると思います。そこへ到達するには聞き手は成長しなければならない。その成長する手段が”技術に対する理解”であったり、”演奏者のプライベートな事柄”であったり、あるいは”名声”であったり、それぞれだと思いますが、いずれにしても心を澄まして聴くだけでは不十分です。シューリヒトのＣＤをかければいつでも感動するといったらうそになります。深く感動するには準備や繰り返しが必要です。少なくとも僕には… そういう意味で、このような掲示板があり、シューリヒトを語る機会を持たせていただいているのは本当にありがたいことです。　tosiharuさんに感謝ａｏｓａｎさんのおかげで今まで書きにくかったことが書けそう。それは、シューリヒトは仙人や魔法使いであるよりも前に”超プロフェッショナルな指揮者！！”

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